Japanese
English
論説
腰椎MRIによる腹部大動脈瘤の合併頻度
-――腰椎X線像を用いた腹部大動脈石灰化の有無に着目して
Frequency of abdominal aortic aneurysm at lumbar spine magnetic resonance imaging;focusing on abdominal aortic calcification using lumbar spine X-ray
久保田 聡
1
,
久保田 亘
1
S. Kubota
1
,
W. Kubota
1
1久保田整形外科医院
1Kubota Orthopaedic Clinic, Hiratsuka
キーワード:
abdominal aortic aneurysm
,
abdominal aortic calcification
,
lumbar spine
,
MRI
Keyword:
abdominal aortic aneurysm
,
abdominal aortic calcification
,
lumbar spine
,
MRI
pp.1145-1149
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_1145
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は じ め に
2016年厚生労働省国民生活基礎調査での有訴者率のなかで腰痛は男性で第1位,女性で第2位を占め,頻度の高い症状となっている.腰痛を主症状とする疾患として,腰部脊柱管狭窄症や脊椎椎体骨折などがあり,診断方法として腰椎MRIが有用であるとされている1,2).
また超高齢社会により,動脈硬化に起因する疾患が増加しており,腰痛患者が新たに動脈硬化による血管性病変を合併する例も少なくない.近年のMRIの普及および画像精度の向上が著しく,腰椎MRIを施行時に偶発的に血管性病変を含む脊椎外病変が発見されることがある3~5).
われわれは腰痛を契機に施行した腰椎MRIで見つかった腹部大動脈瘤の症例を経験した.この経験をふまえて,本研究は腰椎X線像およびMRIで検査した患者において,腹部大動脈石灰化の有無に着目して,腹部大動脈瘤の合併頻度について検討した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020