Japanese
English
経験と考察
75歳以上における変形性足関節症に対する手術成績
-――多施設共同研究
Surgical treatment of ankle osteoarthritis in patients over 75;multicenter study
天羽 健太郎
1
,
有本 竜也
1
,
北村 信人
1
,
神崎 至幸
2
,
野口 幸志
3
,
寺本 篤史
4
,
安井 哲郎
5
,
小久保 哲郎
6
,
関 広幸
7
,
山口 智志
8
K. Amaha
1
,
T. Arimoto
1
,
N. Kitamura
1
,
N. Kanzaki
2
,
K. Noguchi
3
,
A. Teramoto
4
,
T. Yasui
5
,
T. Kokubo
6
,
H. Seki
7
,
S. Yamaguchi
8
1聖路加国際病院整形外科
2神戸大学整形外科
3久留米大学医療センター整形外科
4札幌医科大学整形外科
5帝京大学医学部附属溝口病院整形外科
6立川病院整形外科
7国際医療福祉大学三田病院整形外科
8千葉大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., St Luke’s International Hospital, Tokyo
キーワード:
ankle osteoarthritis
,
elderly patients
,
multicenter study
,
ankle fusion
,
total ankle arthroplasty
Keyword:
ankle osteoarthritis
,
elderly patients
,
multicenter study
,
ankle fusion
,
total ankle arthroplasty
pp.1044-1047
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1044
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は じ め に
本邦において人口の高齢化が急速にすすんでおり,平均寿命は80歳を超えている.多くの人が80年以上にわたり運動器を使用することになり,結果として運動器の変性疾患が増加している.足関節は股関節や膝関節に比べ変形性関節症(osteoarthritis:OA)となるリスクが少ないが1),本邦では今後さらに高齢者の足関節OA患者が増えると考えられる.末期足関節OAは末期股関節OAと同等の生活の質(QOL)低下を招くとされる2).末期足関節OAに対しては投薬,外固定,運動療法などの保存的治療で状態の改善がなければ手術の適応となる.一般的には足関節固定術(ankle fusion:AF)か人工足関節全置換術(total ankle arthroplasty:TAA)が行われ,海外の報告では両術式ともに術後成績は良好であるとされている3,4).一方,高齢者は一般的に手術におけるリスクが高いとされる.高齢者では併存疾患が多く,多彩な病状を呈し5),また加齢によって筋力や歩行能力など運動機能が低下しており,術後に十分な機能回復が得られにくいことが報告されている6).そのため手術における適応は慎重を期すべきであるが,これまでに高齢者における末期足関節OAに対する手術的治療成績は報告がない.そのため,われわれは足関節OAに対する手術的治療の臨床成績を調べることを目的として,多施設,後ろ向きに検討した.
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