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腰椎変性すべり症に対する側方進入椎体間固定術がもたらす後方間接除圧症例の画像と臨床症状に関する比較・検討
Radiographic evaluation of indirect decompression of mini-open anterior retroperitoneal lumbar interbody fusion;oblique lateral interbody fusion for degenerated lumbar spondylolisthesis
佐藤 淳
1,2
,
大鳥 精司
2
J. Sato
1,2
,
S. Ohtori
2
1千葉市立青葉病院整形外科
2千葉大学大学院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Chiba Aoba Municipal Hospital, Chiba
キーワード:
oblique lateral interbody fusion
,
lumbar spondylolisthesis
,
decompression
Keyword:
oblique lateral interbody fusion
,
lumbar spondylolisthesis
,
decompression
pp.973-977
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_973
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【要 旨】
目 的:腰椎すべり症に対し,側方進入椎体間固定術(oblique lateral interbody fusion:OLIF)で,後方除圧を行わない前後合併固定(間接除圧)を行った症例における術前後の画像所見と臨床症状を比較・検討した.
対象および方法:腰椎すべり症に対して腰椎前後合併固定術[OLIF+経皮的椎弓根スクリュー(percutaneous pedicle screw:PPS)]で後方除圧を行わなかった20例を対象とした.術前と術後6ヵ月で画像と臨床症状について比較・検討した.評価項目は,MRIで脊柱管前後径,脊柱管面積,CTで椎間板高,左右椎間孔面積,腰椎すべり度について評価した.臨床症状は,腰痛,下肢痛,下肢しびれについてvisual analogue scale(VAS)を測定し,Oswestry disability index(ODI)も評価した.
結 果:脊柱管前後径についてはMRIで軸位断像で12%,矢状断像で32%,術後有意に増加した.脊柱管面積は19%,術後有意に増加した.椎間板高は61%,術後有意に増加し,椎間孔長は左16%,右21%で,術後有意に増加した.椎間孔面積は左21%,右39%で,術後有意に増加した.腰椎すべり度(%)は術前に比べ術後9%と,有意に減少した.腰痛,下肢痛,下肢しびれのVASとODIは術後有意に低下した.
考 察:術後,著明な椎間板高のかさ上げと脊柱管の拡大が認められた.馬尾症状を伴う腰椎すべり症に対して,直接除圧を行わない前後合併固定が有用である可能性が示唆された.
© Nankodo Co., Ltd., 2018