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1.は じ め に
2018年3月2日(金)~3日(土)までの2日間,名古屋のウィンクあいちで第31回日本軟骨代謝学会が渡辺秀人会長(愛知医科大学分子医科学研究所)により開催された(図1).本学会は,1988年に日本軟骨代謝研究会として発足し,第1回の世話人を故新名正由教授(防衛医科大学校)が務められた.軟骨研究に関わる研究者と骨・関節疾患などの治療に携わる臨床医との相互交流の推進を目的として設立されたと,岩田久名誉教授(名古屋大学)から伺っている.
渡辺会長が開会のあいさつの際に,今回の学会の特徴を5つ述べられていたので紹介する.第1に会場の利便性を考えて名古屋駅に近いウィンクあいちにした.第2に最新の研究内容を発表いただくために演題募集締切りを大幅に遅らせた.第3に活発な議論を促すために一般口演の各セクションの座長は2名とした.第4にプログラム策定に各分野で活躍されている評議員5名に組織委員として参画していただいた.第5にネット環境を充実させてメールやインターネットのサイトを最大限活用した.
以上の甲斐あって本学会はすこぶる盛況であった.2日間の合計で227名が参加されたとのことである.また,本学会の特徴として,一会場で参加者全員が同時に各口演を聞き,討論するという原点に戻った開催方法でもあった.今回はポスター発表もなかったので,やや発表時間はタイトではあったが,専門領域の異なる先生方からもフロアから多くの質問が出て,活気にあふれていた.企業の研究者の方々の参加もたいへん多いようにみえたのだが,彼らはほとんど発言せずに熱心にメモをとっていた(Silent Majority).情報収集の場として活用しているようにもみえた.臨床の専門分野は整形外科と歯科口腔領域がやはり多いのだが,基礎の専門分野は多岐にわたり,まさに日本の軟骨に関する最先端の研究発表が行われていた.
© Nankodo Co., Ltd., 2018