Japanese
English
経験と考察
早期変形性膝関節症に対する内側楔状開大式高位脛骨骨切り術の術後成績
Postoperative outcomes of open wedge high tibial osteotomy for early osteoarthritic knees
丸山 盛貴
1
,
菅原 敦
1
,
及川 伸也
1
,
大矢 康貴
1
,
田島 吾郎
1
,
土井田 稔
1
M. Maruyama
1
,
A. Sugawara
1
,
S. Oikawa
1
,
Y. Ohya
1
,
G. Tajima
1
,
M. Doita
1
1岩手医科大学整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Iwate Medical University School of Medicine, Iwate
キーワード:
early osteoarthritic knee
,
open wedge high tibial osteotomy
,
around the knee osteotomy
,
postoperative outcome
Keyword:
early osteoarthritic knee
,
open wedge high tibial osteotomy
,
around the knee osteotomy
,
postoperative outcome
pp.327-329
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei72_327
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は じ め に
内側型変形性膝関節症(OA膝)に対する手術方法の一つである高位脛骨骨切り術(high tibial osteotomy:HTO)は下肢アライメントを矯正し,荷重軸を移動させることにより症状の改善とOA膝の進行を遅らせることが期待できる膝関節温存手術である.特に内側楔状開大式HTO(open wedge HTO:OWHTO)は腓骨の骨切りが不要で脛骨側の骨切りのみであること,術中に矯正角度を調整することが可能であること,専用のロッキングプレートを用いることで早期荷重が可能であることなどメリットの多い手術方法である1~3).良好な術後成績が報告されており4),近年OWHTOが普及してきている.一方,関節変形が高度なOA膝に対しては大きな矯正角度が必要となることが多く,OWHTOを行う場合には,外側ヒンジ骨折や膝蓋骨低位の発生,膝関節面傾斜の増大といった問題が生じる5,6).そのため関節変形が強く矯正角度が大きいOA膝例にOWHTOを施行する場合は十分な注意が必要である.Kellgren-Lawrence分類(KL分類)7)でgradeが低く関節変形が軽度なOA膝例の場合,矯正角度が小さく,年齢が若くて人工関節を行うには手術時期がまだ早い症例が多いため,手術的治療を行うのであればOWHTOがよい適応であると考えられる.本研究では,KL分類grade Ⅱ以下のOA膝に対してOWHTOを施行した症例の術後成績を検討したので報告する.
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