Japanese
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特集 脊柱靱帯骨化症研究の進歩
Ⅲ.骨化症の病態
4.頚椎後縦靱帯骨化症の手術術式による脊髄応力分布変化
Biomechanical analysis of the spinal cord due to the operations of cervical OPLL
西田 周泰
1
,
寒竹 司
1
,
田口 敏彦
2
N. Nishida
1
,
T. Kanchiku
1
,
T. Taguchi
2
1山口大学整形外科
2山口労災病院
1Dept. of Orthop. Surg., Yamaguchi University Hospital, Ube
キーワード:
cervical myelopathy
,
finite element method
,
OPLL
Keyword:
cervical myelopathy
,
finite element method
,
OPLL
pp.559-564
発行日 2018年5月25日
Published Date 2018/5/25
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_559
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は じ め に
頚椎後縦靱帯骨化症(cervical ossification of the posterior longitudinal ligament:C-OPLL)は,後縦靱帯の骨化により頚髄症をきたす疾患である1).手術法としては,前方除圧固定術と椎弓形成術に代表される後方除圧に大別される1,2).前方除圧固定術は多椎間で難度が高く合併症の報告もあるため,椎弓形成術が手技が容易で良好な成績も多いため選択されることが多い3~6).しかし,前方の遺残圧迫が大きい場合や圧迫高位での椎間可動性を有する場合,椎弓形成術単独では術後の後弯変形などに対応できず,前方除圧固定か後方除圧にインストゥルメントを併用した固定を追加したほうがよいという報告もみられる2,3,7,8).
筆者らは,予後のわるいとされる山型(hill-shaped)OPLL8)のfinite element method(FEM)の三次元脊髄モデルを作成し,C-OPLLによる頚髄症の発現に静的圧迫と動的圧迫が関与することを報告した9).しかし,除圧術を行った応力解析は行っていなかったため,同モデルを使用しC-OPLLの術式に応じた頚髄への影響を検証した.
© Nankodo Co., Ltd., 2018