Japanese
English
論説
脊椎手術前の各種心理評価は本当に必要か
-――満足度VASと各種アウトカムとの評価より
Are multifactorial psychological assessments really needed before spine surgeries?
石元 優々
1
,
川上 守
1
,
中尾 慎一
1
,
北川 智子
1
,
森下 詔子
1
,
松岡 淑子
1
Y. Ishimoto
1
,
M. Kawakami
1
,
S. Nakao
1
,
T. Kitagawa
1
,
S. Morishita
1
,
T. Matsuoka
1
1和歌山県立医科大学附属病院紀北分院脊椎ケアセンター
1Spine Care Center, Wakayama Medical University Kihoku Hospital, Wakayama
キーワード:
LSS
,
surgery
,
psychological assessment
,
satisfaction
Keyword:
LSS
,
surgery
,
psychological assessment
,
satisfaction
pp.101-106
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei69_101
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は じ め に
腰部脊柱管狭窄症(LSS)の治療において,手術的治療のほうが保存的治療よりも長期・短期ともに成績が優れていると報告されている1,11).LSS手術成績に影響を及ぼすものとして,歩行能力・内科的合併症・収入・脊柱管狭窄の程度などさまざまな因子があげられる.このうち,うつや不安といった術前の心理障害が術後成績不良因子であることはよく知られている.一方Havakesianら7)は,術前の心理障害はLSS術後成績に影響しなかったと報告している.彼らは患者の術前の心理障害は長く続いた臨床症状に起因し,術後成績がよいと術前のうつ症状も改善したと述べている.このように術前心理評価と腰椎術後成績については意見がわかれている.
心理的障害には,うつ・不安・人生への不満足などさまざまな要因が含まれる.しかしながら,多面的に術前心理状態を評価し,腰椎術後成績との関係を調査した研究は渉猟し得ない.本研究の目的は,LSSの術前心理状態に対し,各種心理評価を用い,その手術に対する満足度との関係を明らかにすることである.
© Nankodo Co., Ltd., 2018