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腹膜透析の今昔
腹膜透析(PD)は腹膜を透析膜とした透析療法であり,1978年に持続携行式腹膜透析(CAPD)の臨床応用が報告されて以来1),本邦では1983年の保険適用から40年以上が経過し,腎代替療法の中核を担い続けています.PDには二つの主要な方式があります.患者自身が日中に数回のバッグ交換を行うCAPDと,夜間睡眠中に装置が自動的に注液・排液を繰り返す自動腹膜透析(APD)です.APDは就労患者や小児など,生活の自由度を必要とする患者に広く用いられています.PDは血液透析(HD)と異なり,月1~2回の外来通院により患者のQOL向上が実現されています2).その後も,技術革新,生体適合性の向上,そして遠隔医療の導入により目覚ましい発展を遂行してきました3).
「遠隔医療」とは,「情報通信機器を活用した健康増進,医療に関する行為」と定義されます.PD患者は末期腎不全という慢性疾患を有し,在宅治療が基本となることから,遠隔医療との親和性は本来的に高いです.近年は,APD装置や体重計・血圧計などの在宅医療機器をインターネットで接続し,データを自動送信するIoT技術がPD診療に応用されています.2018年にはPD分野において,APD装置「ホームPDシステム かぐや」と連携した,国内初のPD用治療計画プログラムである「ShareSource」がバクスター社より上市され,APD患者における遠隔患者モニタリング(RPM)が本格的に開始されるようになりました.その後も,2023年6月にはジェイ・エム・エス社よりAPD装置「PD-Relaxa」と連携するPD治療計画プログラム「Relaxaリンク」が,2024年4月にはテルモ社より腹膜透析管理アプリケーション「テルモPDマイケア」が提供されるようになりました.今やPD診療におけるIoTを活用したRPMは広く普及し,「遠隔医療」が本格的に実装されたといえます.

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