特集 大人医師の復習帳―昔の常識,今でも大丈夫?
第6章 消化管
[食道がん]根治的化学放射線療法を行うことができます
小倉 望
1
,
加藤 健
1
1国立がん研究センター中央病院 消化管内科
pp.747-749
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_747
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食道がんの今昔
わが国の食道がんの約9割を占める扁平上皮がんは放射線への感受性が高いことが知られています.当初は切除不能局所進行例に対する治療として,化学療法と放射線治療を併用し根治を狙う根治的化学放射線療法(dCRT)の有効性が報告され使用されるようになりました.化学療法レジメンは,フルオロウラシル(5-FU)とシスプラチンを併用するCF療法が一般的に用いられてきました.cStage Ⅰ(cT1bN0M0)の食道がんでもdCRTの有効性が報告されましたが,手術が困難な場合のオプションとしての位置づけでした.cStage ⅠB/Ⅱ/Ⅲ(cT1N1-3M0, cT2-3N0M0)でも同様に手術困難例などでdCRTが使用されていましたが,生存割合の低さと主に放射線関連の有害事象が問題となっていました.
現在でも切除不能局所進行例に対しては初回治療としてdCRTが標準治療ですが,導入化学療法後に根治的な治療を行う治療戦略の開発が進められています.cStage Ⅰでは,dCRTが手術と同等の有効性を示し推奨されています.cStage ⅠB/Ⅱ/Ⅲでは術前化学療法後の手術が標準治療となりましたが,dCRT±救済治療も治療選択肢となっています.また,腎機能低下症例など,シスプラチンの投与が困難な症例では,CF療法以外のレジメンを放射線療法に併用することも考慮されます.

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