特集 大人医師の復習帳―昔の常識,今でも大丈夫?
第5章 感染症
[梅毒]治療がとてもシンプルになりました
水島 大輔
1
1国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター
pp.727-730
発行日 2026年4月1日
Published Date 2026/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika137_727
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梅毒の今昔
梅毒はコロンブスの新大陸発見以降,旧大陸へ広まったとされ,本邦では江戸時代には,遊郭などを介して広く流行し,死に至る病として恐れられていました.1940年代以降にペニシリンで梅毒が治療可能となり,国内での梅毒件数は1967年以降減少に転じました.以降,男性間性交渉者(MSM)の間でヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症と同様に流行を認めたものの,HIVや性感染症を診療する医師以外では,梅毒を診察する機会がなく過去の病といっても過言ではありませんでした.ところが,2021年頃よりヘテロセクシャル男女で急増し,とくに女性では20歳代での増加が顕著であり,妊婦の感染,先天梅毒の報告も増加し,common diseaseとなり,かつ妊娠中の児の感染では死に至る病ともなり,世界共通の問題となっています.

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