特集 急性中毒の初期診療と管理―内科医が読んでおきたい診断・治療のケース集
[Chapter 2] ケースで学ぶ 急性中毒の診断と治療
[E.工業・化学用品]
シアン
森 来実
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター
キーワード:
シアン中毒
,
火災
,
乳酸アシドーシス
,
吸入性中毒
,
一酸化炭素中毒との合併
Keyword:
シアン中毒
,
火災
,
乳酸アシドーシス
,
吸入性中毒
,
一酸化炭素中毒との合併
pp.1083-1085
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_1083
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★★シアン中毒は火災現場において一酸化炭素(CO)中毒と並存しうるが,しばしば見逃されやすい.
★★高度な代謝性アシドーシスや乳酸値>10mmol/Lは,診断の重要な指標となる.
★★COHb濃度と臨床症状の乖離は,シアン中毒を疑う契機となる.
★★血中シアン濃度の迅速測定が困難なため,診断は臨床的推定に基づくことが多い.
★★★解毒にはヒドロキソコバラミンが第一選択であり,チオ硫酸ナトリウムとの併用が推奨される.
★★早期の診断的治療が予後改善に寄与するため,疑わしければ即時投与を検討する.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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