特集 急性中毒の初期診療と管理―内科医が読んでおきたい診断・治療のケース集
[Chapter 2] ケースで学ぶ 急性中毒の診断と治療
[C.市販薬]
睡眠改善薬
-ブロモバレリル尿素による急性中毒と慢性臭素中毒
井上 史也
1
,
岡崎 悠治
2
1聖路加国際大学 公衆衛生大学院
2広島市立広島市民病院 救急科
キーワード:
ブロモバレリル尿素
,
慢性臭素中毒
,
急性ブロモバレリル尿素中毒
,
偽性高塩素血症
Keyword:
ブロモバレリル尿素
,
慢性臭素中毒
,
急性ブロモバレリル尿素中毒
,
偽性高塩素血症
pp.1068-1070
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_1068
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★★★ブロモバレリル尿素は市販薬に含まれる催眠鎮静薬であり,薬物依存性を有する.
★★ブロモバレリル尿素は中枢神経のガンマアミノ酪酸(GABA)受容体に作用し意識障害を起こす.急性ブロモバレリル尿素中毒の治療は気道確保,循環および体温の維持などの全身管理が基本となる.
★ブロモバレリル尿素を長期服用すると,ブロモバレリル尿素から代謝され遊離した臭素が体内に蓄積し中枢神経障害を起こす.また血中臭素濃度が高値の場合,偽高塩素血症を認めることがある.したがって,ブロモバレリル尿素を含む市販薬の長期服用者において神経症状または高塩素血症を認める場合は,慢性臭素中毒を疑う必要がある.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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