特集 これは知っておきたい―治療に勝る! 感染症の予防2025
[Chapter 1] 成人でも重要なワクチンで予防できる感染症(VPD)
B型肝炎ワクチン
松下 清香
1
,
池内 和彦
1
1東京大学医学部附属病院 感染症内科
キーワード:
B型肝炎(HBV)ワクチン
,
医療従事者
,
免疫不全
Keyword:
B型肝炎(HBV)ワクチン
,
医療従事者
,
免疫不全
pp.1276-1278
発行日 2025年6月1日
Published Date 2025/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika135_1276
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★★★B型肝炎ウイルス(HBV)の新規感染者の感染経路の70%が性的接触によるものであり,20~30歳代前半が感染のピークとなっている.
★小児HBVワクチン定期接種は2016年に開始した.
★HBVワクチンはユニバーサルワクチンであり,可能であればワクチン接種を行うことが望ましい.とくに性感染症のリスクが高い場合や,海外渡航の際にはワクチン接種が推奨される.
★★★医療従事者では患者が使用した物品を扱う職種にもワクチン接種が推奨される.
★免疫不全者ではワクチン接種とHBs抗体上昇の確認が推奨されるが,固形臓器移植・造血幹細胞移植患者ではワクチン接種の時期の検討が必要である.
★HBs抗体上昇が一度確認されると,ワクチン効果は35年以上持続する.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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