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第6章 消化管
[便秘]腸内細菌と腸管運動機能
-a role of microbes in gut motility
白 暁鵬
1
,
田中 義将
1
,
伊原 栄吉
1
1九州大学大学院 医学研究院病態制御内科学
キーワード:
腸内細菌
,
腸管運動機能
,
腸管神経
,
Cajal介在細胞(ICC)
,
腸管平滑筋
Keyword:
腸内細菌
,
腸管運動機能
,
腸管神経
,
Cajal介在細胞(ICC)
,
腸管平滑筋
pp.603-606
発行日 2024年9月1日
Published Date 2024/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_603
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Summary
・われわれは慢性便秘症の病態解明と新規治療法の開発を目指し,腸内細菌が腸管運動機能に及ぼす影響とその機序について基礎およびトランスレーショナル研究を行っている.
・単一菌種を定着させたノトバイオート動物モデルを用いて,腸内細菌が宿主自然免疫反応を介し,小腸筋間神経叢の血管作動性腸管ペプチド(VIP)神経の発現調節が腸管運動機能の発達・維持に重要な役割を果たすことを解明した.
・慢性便秘症患者より採取した糞便を移植して作製したマウスモデルを解析したところ,慢性便秘症患者から採取した腸内細菌が大腸筋間神経叢に炎症性マクロファージを増加させ,Cajal介在細胞(ICC)のネットワーク障害をきたし,大腸運動低下に至る経路を見出した.
© Nankodo Co., Ltd., 2024