連載 ほんとに意味あるの? その感染対策・感染症治療
第10回(最終回) ルーチンの術前HIVや梅毒検査
中村 造
1
1東京医科大学病院 感染制御部・感染症科
pp.1337-1339
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika134_1337
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これまで本連載では,マスクの着用は新型コロナウイルス感染症の予防に本当に意味があるのか,三密の回避はどれくらい必要か,経口コロナウイルス薬や歯科治療の際の経口抗菌薬,手術室のスクラブへの着替えや手術時に投与する抗菌薬,そしてうがいなどさまざまな感染症対策の効果を議論してきた.また,前々回は抗菌薬にアレルギー歴がある人には本当に抗菌薬を再投与してはいけないのか,前回はお見舞いに花は本当にNGなのか,などについて解説した.感染対策や感染症治療として一般に広く行われていることが,実際には意味があるのか,どこに根拠があるのか,について論じてきたが今回で最終回となる.最終回では,感染管理業務を始めたスタッフから聞かれることが多い「術前にヒト免疫不全ウイルス(HIV)や梅毒の検査をルーチンに行うことは本当に必要か」について考えてみようと思う.
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