今月の主題 腹痛の診かた・とらえかた
随伴症状からみた腹痛
便通異常
笹川 力
1
1新潟市民病院内科
pp.944-946
発行日 1977年7月10日
Published Date 1977/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207268
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はじめに
消化管の平滑筋の強い収縮(痙攣)または拡張(伸展),炎症,組織の酸素欠乏などの刺激は粘膜下のマイスネル神経叢,筋層内のアウエルバッハ神経叢から腹腔神経節,上および下腸間膜神経節に伝えられ,そこから大内臓神経,小内臓神経,腰内臓神経の求心性交感神経線維によって,また直腸からの刺激は仙骨神経のなかの求心性副交感神経線維により,脊髄後根から脊髄に伝えられ,さらに脊髄視床路を通って視床から大脳皮質に達し,腹痛を感ずる.
本稿では便通異常,すなわち下痢または便秘を伴う腹痛患者をみた場合,どのような疾患を疑い,どのように診断をすすめていくかを述べる.
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