特集 治りにくい肺炎に出会ったら
[Chapter 4] 気がつかずにいると危機的になりうる疾患
肺がん(閉塞性肺炎を含む)
内堀 健
1
1がん研有明病院 呼吸器内科
キーワード:
治りにくい肺炎
,
閉塞性肺炎
,
粘液産生性肺腺がん
Keyword:
治りにくい肺炎
,
閉塞性肺炎
,
粘液産生性肺腺がん
pp.297-301
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika133_297
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪適切な抗菌薬治療により多くの肺炎は軽快するが,「治りにくい肺炎」も経験される.
▪これらのなかには肺がんによる難治性の閉塞性肺炎をきたしている症例,または肺炎として長期にわたって治療されたが改善が乏しく粘液産生性肺腺がんと診断される症例が見つかることがある.肺炎全体からみると頻度は低いものの,診断が遅れると予後に大きく影響する.
▪閉塞性肺炎をきたす肺がんの早期発見のポイントは,抗菌薬に不応,無気肺,閉塞性肺炎や腫瘤性病変のCT所見,血痰,同部位での肺炎の再発である.
▪粘液産生性肺腺がんなどの肺炎像持続型の肺がんを早期発見のポイントは,長期の咳嗽・喀痰,肺炎像のわりに発熱しないこと,抗菌薬を投与しても画像所見に変化がないことである.
© Nankodo Co., Ltd., 2024