特集 診断の糸口はここにある 手がかりから紐解く臨床推論
第10章 神経
[Case 3 間欠的に生じる「もの忘れ」]本人:とくに症状がないのに病院に連れてこられました.妻:最近もの忘れやぼーっとしていることが増えました.認知症の始まりでしょうか?
松平 敬史
1
1NHO静岡てんかん・神経医療センター てんかん科・脳神経内科
pp.656-660
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_656
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診断は何か
手がかり
もの忘れの症状とともに,発作性にぼーっとする症状を認める.血液検査・髄液検査で症状を説明しうる異常所見は認めない
発作間欠期脳波(図1)で発作間欠期てんかん性放電(IED)を認め,長時間ビデオ脳波モニタリングで発作が捕捉された(図2)
頭部MRIで右扁桃体が左と比べると大きく,FDG-PETでは右内側側頭部の代謝低下を認める(図3)
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