特集 診断の糸口はここにある 手がかりから紐解く臨床推論
第6章 糖尿病・内分泌
[Case 6 糖尿病で立ちくらみ・便秘]立ちくらみと便秘がひどくて……
松田 やよい
1
1九州大学病院 内分泌代謝・糖尿病内科
pp.546-549
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_546
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診断は何か
手がかり
長期の糖尿病罹患歴を有しており,糖尿病網膜症や糖尿病性腎症も進行している.両下肢のアキレス腱反射消失,内踝振動覚低下を認める
無自覚低血糖を認め,起立直後にめまい,脱力を生じ,起立後3分以内に収縮期血圧132mmHgから90mmHgに低下した
変動係数(CVR-R)は安静時0.99%,深呼吸時1.12%であった(図1)
上部消化管内視鏡検査を施行すると,器質的な閉塞がないにもかかわらず,多量の食物残渣を認めた(図2)
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