特集 “思春期内科”―大人でも子どもでもない患者を診る
[Chapter 2] 思春期に発症しうる疾患
感染性心内膜炎
日馬 由貴
1
1兵庫県立尼崎総合医療センター 小児総合診療科/小児感染症内科
キーワード:
感染性心内膜炎(IE)
,
先天性心疾患(CHD)
,
保健指導
Keyword:
感染性心内膜炎(IE)
,
先天性心疾患(CHD)
,
保健指導
pp.362-365
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika131_362
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▪小児,思春期の感染性心内膜炎(IE)では先天性心疾患(CHD)をもつ患者の割合が多く,とくにチアノーゼ性心疾患や心内膜床欠損症でIEを生じやすい.
▪CHDを背景にもつIEは主に右心系に病変を生じるため,血行動態が破綻するような心合併症は生じづらい.また,レンサ球菌が原因微生物となることが多いため,亜急性の発症も多い.このような理由から,予後は成人よりもよいとされている.
▪思春期のCHDをもつ患者は,小児内科と成人内科の間に入ってしまうことで,適切な患者教育がなされない可能性がある.自身の心疾患と,IEのリスクについて,適切な教育がなされるべきである.
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