特集 血流感染症の抗菌薬選択―救命のためのターニングポイント
◉症例解析から見る救命のポイント2 重症の血流感染症
②感染性心内膜炎
平井 由児
1,2,3,4
1東京医科大学 八王子医療センター 感染症科 教授/感染制御部 部長
2順天堂大学 総合診療科 非常勤講師
3東京女子医科大学 感染症科 非常勤講師/血液内科
4東京都保健医療公社 多摩北部医療センター 内科(非常勤)
キーワード:
感染性心内膜炎(IE)
,
modified Duke criteria
,
血液培養
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血液培養陰性IE
,
Endocarditis-TEAM
Keyword:
感染性心内膜炎(IE)
,
modified Duke criteria
,
血液培養
,
血液培養陰性IE
,
Endocarditis-TEAM
pp.54-60
発行日 2019年3月10日
Published Date 2019/3/10
DOI https://doi.org/10.34426/kk.0000000019
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Summary
感染性心内膜炎(IE)は内科的緊急疾患である。起因菌の把握は予後に関与し,3セット以上の血液培養は必須である。IEは多彩な初期症状を呈し,典型的な身体所見を認めないこともある。背景,身体所見の評価と鑑別診断の基本的な対応と維持が必要といえる。IEの診療は ‘Endocarditis-TEAM’ で行うことが推奨され,複数の診療科・部門が専門性を活かした情報共有を行うことは重要な治療行為のひとつである。予後不良な血液培養陰性IE最大の原因は「かぜ」などへの不要な抗菌薬投与であり,医療がこれらを生み出さない努力が必要である。
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