心房性僧帽弁閉鎖不全症・三尖弁閉鎖不全症

▪心房性僧帽弁閉鎖不全症（MR）は，機能性MRのなかの比較的新しい分類（疾患概念）である．心房性機能性MR（atrial functional MR）ともよばれる．

▪心房性MRは，左室機能は保たれているが，左房拡大・僧帽弁輪拡大などを特徴とする機能性MRであり，その多くが心房細動を併っている．

▪従来，機能性MRという言葉は，左室拡大や左室壁運動低下に伴って起きるMRを示すことが多かったが，このような従来からの機能性MRは最近では心室性機能性MR（ventricular functional MR）とよばれる．

▪三尖弁閉鎖不全症（TR）も，多くが心房拡大（右房拡大）により生じる機能性（二次性）の逆流であり，MRとの併発も多い．三尖弁に対するカテーテル治療の登場が期待されている．