特集 エキスパートがお答えします! 日常臨床のあるあるの疑問
第6章:内分泌
元気な高齢2型糖尿病患者の血糖コントロールが経口薬で不良なとき,インスリン治療を開始するべきでしょうか?
田村 嘉章
1
1東京都健康長寿医療センター 糖尿病・代謝・内分泌内科
pp.523-526
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_523
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お答えします 患者のHbA1c,年齢,認知機能,ADL,合併症の進行度などから治療を強化する必要があるかを考え,必要な場合,まずはGLP-1受容体作動薬の利用を考えます.それでも不良な場合にインスリン導入を考えますが,認知機能や本人の負担感などを総合的に考慮し,導入を見送ることもあります.一時的な強化療法(入院)で糖毒性が解除されインスリン離脱できることも多いので考慮します.これで離脱できない場合や外来での導入の場合は,低血糖リスクを考慮して通常1日1回の持効型の投与とします.導入時には十分な手技確認やシックデイルール指示を行う必要があります(図1).
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