連載 ~知っているようで,実は十分に理解していない~ 医療に関する制度のあれこれ
第18回 認知症施策推進大綱(オレンジプランからの発展)
丸木 雄一
1,2
1社会福祉法人「シナプス」埼玉精神神経センター
2さいたま市認知症疾患医療センター
pp.1005-1008
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_1005
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2012年におけるわが国の認知症患者数は462万人,軽度認知機能障害(mild cognitive impairment:MCI)患者数は400万人に及ぶことが報告されました.年齢別では65~69歳は50人に1人,70~74歳は20人に1人,75~79歳は10人に1人,80~84歳は5人に1人,85歳以上は3人に1人,90歳代は2人に1人,100歳を超えるとほぼ全員が認知症になることが予測され,認知症は長生きをすればもれなくついてくる身近な症状と考えなければならないようになりました.
わが国では未曽有の速度で高齢化が進み,2025年にはいわゆる団塊の世代がすべて後期高齢者となるため,認知症を医療・介護でケアするばかりでなく,認知症になっても地域で暮らせるようサポートすることが強く必要になってきました.このため,国家戦略として2012年に「認知症施策推進5ヵ年計画(オレンジプラン)」,2015年には「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」,2019年から2025年にかけては「認知症施策推進大綱(認知症大綱)」が策定され,2025年問題における認知症に対する基本方針が打ち立てられました.
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