特集 1ページでわかる内科疾患の診療ノート―“あたりまえ” のなかにある大事な視点
第8章:神経
てんかん
十河 正弥
1
,
松本 理器
1
1神戸大学大学院 医学研究科脳神経内科学
pp.927-931
発行日 2022年4月1日
Published Date 2022/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_927
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
■問診
・てんかんの診療においては問診が最も重要である
▶小児~若年発症のてんかんでは,周産期の障害や熱性けいれん,頭部外傷,頭蓋内感染症の既往,てんかん・熱性けいれんの家族歴などが危険因子であり,これらについて聞き取りを行う
▶高齢発症てんかんはほとんどが焦点発作で,病因としては,脳卒中,認知症,頭部外傷などがあげられる
・てんかん発作は全身のけいれん発作(強直間代発作)を伴うとは限らない.けいれんしない意識減損発作の病歴聴取に努める
▶意識消失の場合:どのような状況で起こったか,持続時間,意識回復までの時間,回復後の意識障害,咬舌や失禁,発作後の頭痛や筋肉痛があるかを確認する
▶けいれんがあった場合:手足の動きの左右差や眼球の偏位などがあったか.けいれんの前に前兆(心窩部からのこみ上げ感,既視感や未視感など)や意識減損発作が先行したかを確認する
▶繰り返す発作の場合:家族による発作のビデオ撮影が有用である
© Nankodo Co., Ltd., 2022