Book Review
胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)
春日井 邦夫
1
1愛知医科大学内科学講座消化管内科 教授
pp.8-8
発行日 2022年1月1日
Published Date 2022/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_8
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- 文献概要
GERD患者数は年齢とともに増加し,60歳以上の占める割合は男女ともに75%以上である.2025年には65歳以上の人口割合が30%を超え,未曾有の超高齢社会を迎えようとしているわが国において,今後もGERD患者数は確実に増加していくものと思われる.現状でも,消化器専門医のみならず,実地医家の先生方も多くのGERD患者さんを診療なさっており,多くの臨床的疑問を抱えていらっしゃると推察される.私もGERDについての講演をさせていただくことがあるが,その際の質問で最も多いのは,「P-CABとPPIの使い分けは?」と「P-CABやPPIの長期投与の問題点は?」の二つである.私なりに文献を読んだり,自身の経験からお答えをしているが,これは研究デザインとしては「専門家個人の意見」に相当しており,残念ながらエビデンスの質は「low」あるいは「very low」である.そのためではないが,多くの先生方と同様に私も,本書の発刊を心待ちにしていた一人である.
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