特集 最新の糖尿病診療と今後の展開
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災害と糖尿病
-東日本大震災研究より得られた知見
今井 淳太
1
1東北大学大学院 医学系研究科糖尿病代謝内科学分野
キーワード:
血糖コントロール
,
空腹時血清Cペプチド値
,
内因性インスリン分泌能
Keyword:
血糖コントロール
,
空腹時血清Cペプチド値
,
内因性インスリン分泌能
pp.1181-1183
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika129_1181
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Summary
▪われわれは東日本大震災後に多くの糖尿病患者の診療を行った.
▪糖尿病患者の震災後の血糖コントロールは,必ずしも一律に悪化するわけではなく,血糖コントロールの変化は患者ごとに大きく異なる.
▪震災後の血糖コントロールの変動の違いを規定する要因について特定することを目的とした研究を行った.
▪空腹時血清Cペプチド値が低下している糖尿病患者では震災後の血糖コントロールの悪化がより顕著である.
▪空腹時血清Cペプチド値は,災害の影響を強く受けやすい患者を予測するうえで,有効なマーカーである.
▪内因性インスリン分泌能を把握しておくことにより,災害などの有事の際に,限られた医療資源を有効に配分することにつながる.
© Nankodo Co., Ltd., 2022