特集 高齢者における消化器診療
高齢者における代表的消化器疾患とその治療
急性下部消化管出血
郷内 貴弘
1
,
鳥谷 洋右
1
,
松本 主之
1
1岩手医科大学内科学講座消化器内科消化管分野
キーワード:
下部消化管出血
,
抗血栓薬
,
大腸憩室出血
Keyword:
下部消化管出血
,
抗血栓薬
,
大腸憩室出血
pp.829-833
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_829
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Summary
▪高齢者の下部消化管出血の原因として大腸憩室の頻度が高く,長期臥床例では急性出血性直腸潰瘍が鑑別疾患となる.
▪まずバイタルサインの安定を図り,可能な限り低侵襲性の画像検査で原因検索を行う.
▪大腸内視鏡検査は経口腸管洗浄薬による前処置後に行うことが望ましいが,服用困難例が少なくない.
▪抗血栓薬は再出血の危険因子である.しかし,安易な中止は控えるべきであり,個々の症例に応じて治療方針を決定する必要がある.
© Nankodo Co., Ltd., 2021