特集 高齢者における消化器診療
高齢者における代表的消化器疾患とその治療
胃疾患
浅岡 大介
1
,
永原 章仁
2
1順天堂東京江東高齢者医療センター消化器内科
2順天堂大学消化器内科
キーワード:
胃がん
,
胃炎の京都分類
,
薬剤性胃粘膜傷害
,
除菌後胃がん
,
フレイル
,
サルコペニア
Keyword:
胃がん
,
胃炎の京都分類
,
薬剤性胃粘膜傷害
,
除菌後胃がん
,
フレイル
,
サルコペニア
pp.823-827
発行日 2021年10月1日
Published Date 2021/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_823
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Summary
▪Helicobacter pylori感染を,未感染,現感染,除菌後を含む既感染の三つのカテゴリーに分けて,胃炎診断を行うことを目的として,「胃炎の京都分類」が作成された.
▪除菌後の胃がんリスクは除菌時胃粘膜萎縮高度例で最も高く,経過が長くなると萎縮の軽度~中等度症例でも未分化型胃がんのリスクが増加することが報告されており,除菌後は長期にわたる内視鏡フォローが必要である.
▪超高齢社会を背景に高齢者のフレイル・サルコペニア合併率が増加しており,今後胃がん診療においても,フレイル・サルコペニアの病態を考慮した治療戦略が求められる.
▪高齢者の増加に伴い,低用量aspirinや非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の使用頻度が高まり,薬剤性胃粘膜傷害に対する慎重な対応が求められる.
© Nankodo Co., Ltd., 2021