特集 高齢者の肺炎:社会・医療問題の克服を目指して
超高齢社会におけるフレイルと呼吸器疾患
葛谷 雅文
1
1名古屋大学大学院医学系研究科地域在宅医療学・老年科学教室教授
キーワード:
フレイル
,
高齢者
,
慢性閉塞性肺疾患
,
サルコペニア
Keyword:
フレイル
,
高齢者
,
慢性閉塞性肺疾患
,
サルコペニア
pp.47-50
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.35.08_0047-0050
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現在広く理解されているフレイルの基本的な概念(身体的フレイルとして)は「加齢に伴う症候群として,多臓器にわたる生理的機能低下やホメオスターシス(恒常性)低下,身体活動性,健康状態を維持するためのエネルギー予備能の欠乏を基盤として,種々のストレスに対して身体機能障害や健康障害を起こしやすい状態」である1)。わかりやすくいうと,身体機能を維持するうえでのエネルギー予備能欠乏状態といいかえることができる。したがってフレイルの位置づけとしては,機能障害に至る前段階,日本では要介護状態に至る前段階として捉えることができる1)。この機能障害に至るモデルとしての「フレイルモデル」は,要介護状態に至るモデルとして疾病や外傷がかかわる「疾病モデル」とは大きく異なる1)。フレイルモデルは疾病,外傷を誘因とするのではなく,フレイル状態を経て要介護状態に至るプロセスを指す2)。「KEY WORDS」フレイル,高齢者,慢性閉塞性肺疾患,サルコペニア
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