特集 意外と知られていない⁉ 自科の常識・他科の非常識
第4章:膠原病
リウマチ膠原病疾患の診断および疾患活動性評価においてFDG-PET/CT検査は非常に有用である
山下 裕之
1
1国立国際医療研究センター膠原病科
キーワード:
FDG-PET/CT
,
膠原病疾患
Keyword:
FDG-PET/CT
,
膠原病疾患
pp.478-482
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_478
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2010年に本邦において,FDG-PET/CT検査の保険適用が「早期胃がんを除く全悪性腫瘍」に拡大され,2012年には「心サルコイドーシス」も保険適用に追加された.不明熱などを含め,炎症性疾患はまだ保険適用ではないが,その有用性は以前より知られており,今後,臨床研究の発展や適応拡大の期待が高い.FDG集積は糖代謝の亢進を反映し,腫瘍性病変のほかに,炎症性病変でも集積を認めることが知られている.2013年の “Clinical Radiology” に掲載された,エビデンスに基づく英国のFDG-PET/CT臨床使用のガイドラインには,「血管炎」「サルコイドーシス」「感染巣イメージング」「不明熱」が記載されている.ガイドラインに炎症性疾患が臨床適応と記載されたのは英国が世界で最初ではないかと思うが,これは医学的な適応という意味で保険償還を意味しない.「適応=保険償還」という概念は日本だけなので,注意が必要である.
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