特集 心不全のすべて―増え続ける心不全患者にどう対峙するか
心不全の診断と治療
SGLT2阻害薬の位置づけ
佐野 元昭
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
キーワード:
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
心腎連関
Keyword:
糖尿病
,
慢性腎臓病
,
心腎連関
pp.47-50
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_47
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Summary
▪左室駆出率の相対的低下は,静脈還流量(前負荷)の増加によって代償され,心拍出量は維持されるが,その見返りとして肺静脈圧や中心静脈圧に血液が貯留(うっ血)して,呼吸困難,起坐呼吸,全身の浮腫(むくみ)などを生じる.
▪ナトリウム依存性グルコース共輸送担体2(SGLT2)阻害薬は,腎臓に作用して慢性的な心腎連関の活性化を断ち切り,心臓への前負荷を減らして,左室のリバース・リモデリングを誘導する新規の心不全治療薬である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021