緩和ケアのパラダイムシフト -がんからserious illnessへ

Summary

▪本邦では，緩和ケアはがん医療領域を中心に発展してきた．

▪一方で，2018年にWHOは緩和ケアをuniversal health coverage（すべての人が受けることができるように整備しなければならない医療）の一つとして位置づけ，その対象は “serious illness” を含むものとした．

▪本邦では，がん以外の疾患に対する緩和ケアは不十分である．

▪緩和ケアは治療と並行して提供され，予後と病状を勘案したうえで患者の価値観に沿った，患者のための最善をテーラーメイドでつくり出す医療・ケアであるというパラダイムシフトを起こす必要がある．