特集 CKD患者を診たら―最近のCKD診療の知見とその活かし方
CKD進行を抑制するためにすべきこと
酸塩基・カリウム代謝異常の管理
久野 秀明
1
,
長浜 正彦
1
1聖路加国際病院腎臓内科
キーワード:
食事療法
,
RAS阻害薬
,
K吸着薬
,
sodium bicarbonate
Keyword:
食事療法
,
RAS阻害薬
,
K吸着薬
,
sodium bicarbonate
pp.1001-1003
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_1001
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Summary
▪CKD患者において血清K値は4.0mEq/L以上5.5mEq/L未満の管理が推奨されている.
▪CKDステージ4以降では代謝性アシドーシスの頻度が増える.
▪高K血症予防や腎機能障害進行の抑制効果などから,重炭酸値が21mmol/Lを下回ればsodium bicarbonateでの治療開始が推奨されている.
▪過度なK制限の弊害が報告されており,病期に合わせた食事制限を行う必要がある.
▪最近の報告ではCKDステージ4以降でのRAS阻害薬の有効性が示唆されているが,高K血症のリスクを伴うため,継続のためにはアシドーシス管理やK吸着薬を適切に使用していく必要がある.
▪新規K吸着薬であるsodium zirconium cyclosilicateは長期管理におけるK低下作用やアシドーシス改善効果が示されており,既存薬剤との比較を含め,今後のさらなる報告が期待される.
© Nankodo Co., Ltd., 2021