特集 内科疾患の診断基準・病型分類・重症度
第5章 感染症
インフルエンザ
金澤 晶雄
1
,
岡 秀昭
1
1埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科
pp.720-723
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_720
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診断基準
国内外の主要なガイドラインにおいてインフルエンザの明確な診断基準は提示されていない.一般に,流行期に急性の発熱,咳嗽,筋肉痛,倦怠感といった特徴的な症候や肺炎を発症している患者において,曝露歴や身体所見,ウイルス検査などの情報を総合して診断にいたる.症状は咳嗽の出現頻度が最も高く1),発症早期から咳嗽症状が目立ち,倦怠感などの全身症状が顕著であることが感冒との鑑別に有用である.また,高熱も感冒ではみられにくいため,高熱患者では安易に感冒の診断をつけず,インフルエンザなどの高病原性のウイルスや肺炎などの細菌感染症を検討する必要がある.
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