特集 糖尿病診療2021:日常的に包括的診療を行うために
糖尿病の治療
薬物療法の最新知見 ⑤:α-グルコシダーゼ阻害薬
藤城 緑
1
1日本大学医学部内科学系糖尿病代謝内科学分野
キーワード:
食後過血糖改善剤
,
インスリン分泌非促進系薬
,
耐糖能異常
Keyword:
食後過血糖改善剤
,
インスリン分泌非促進系薬
,
耐糖能異常
pp.395-397
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_395
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Summary
▪α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)はインスリン分泌非促進系の食後過血糖改善剤であり,炭水化物の消化・吸収に関与するα-グルコシダーゼ活性を阻害し,小腸でのブドウ糖の吸収を遅延させる.
▪小腸上部K細胞からのGIPの分泌減少,小腸下部L細胞からのGLP-1の分泌増加が期待される.
▪糖尿病の発症予防,心血管合併症発症予防,体重減少などの効果が報告されている.
▪ダンピング症候群などの特殊な病態,1型糖尿病,腎不全患者など,幅広い患者層にも有用である.
▪インスリンを含む他のすべての糖尿病治療薬と併用可能である.
▪病態に応じてacarbose,miglitol,vogliboseの3種類それぞれの特性を活かした処方が望まれる.
▪単独では低血糖を起こしにくいが,低血糖時対策のためブドウ糖は必携である.
▪消化器系副作用への配慮が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2021