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投稿 総説
Clostridioides difficile感染症の一次予防にプロバイオティクスは有効か
Is primary prevention of Clostridioides difficile possible with probiotics?
長嶺 敬彦
1
T. Nagamine
1
1三光舎Sunlight Brain Research Center
pp.155-158
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika127_155
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は じ め に 抗菌薬投与による腸内細菌叢の乱れは,抗菌薬関連下痢症を誘発する.原因菌として最も重要なのが,Clostridioides difficileである.この菌は最近までClostridium difficileとよばれていたが,2016年に分類の見直しが行われ,新しい属としてクロストリディオイデス属が創設され名称が変更になった.Clostridioides difficileは偏性嫌気性菌であり,1935年の発見当初は分離が難しかったことからラテン語の「困難」を語源として命名された.外毒素であるトキシンA(エンテロトキシン)やトキシンB(サイトトキシン)を産生する株により腸の粘膜細胞が破壊され,本来の粘液層とは異なる偽膜が形成され偽膜性腸炎を発症する1).
© Nankodo Co., Ltd., 2021