臨床検査のピットフォール
Clostridioides difficile感染症の検査におけるピットフォール
長岡 里枝
1
,
原 稔典
1
1広島大学病院診療支援部臨床検査部門
pp.1060-1063
発行日 2024年10月1日
Published Date 2024/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209448
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はじめに
Clostridioides difficile感染症(CDI)はClostridioides difficile(C. difficile)が産生する毒素(toxin A, toxin B)によって引き起こされる疾患である.抗菌薬使用などによって腸内細菌叢が攪乱された状態で発症することが多く,重症化や再発のリスクが問題となっている.また,C. difficileは芽胞を形成しアルコール抵抗性であることから院内感染の原因となるため,医療施設において早急に対処すべき深刻な感染症である.よって,CDIを診断するための検査は重要であり,迅速かつ正確な検出が求められる.
現時点でさまざまな検査法が実施されているが,検体のセレクトや取り扱い,各検査法の検出感度,検査結果の解釈など,注意すべき点がいくつも存在する.本稿ではそれぞれのピットフォールについて,広島大学病院(以下,当院)の検討結果を交えて紹介する.
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