Book Review
実は知らない循環器希少疾患―どう診る? どう対応する?
北風 政史
1
1国立循環器病研究センター臨床研究開発部 部長
pp.491-491
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_491
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- 文献概要
安斉俊久先生が編集された書籍『実は知らない循環器希少疾患』が最近上梓された.安斉先生は,国立循環器病研究センター心臓血管内科・心不全科の部長を務められ,バラエティー豊かな循環器疾患の病態をその深く鋭い洞察力・臨床力で次々と診断し,日本屈指の循環器疾患の高度治療現場で,その治療成績を上げてこられた.その安斉先生ご編集の本書をみて驚いた.そこには国立循環器病研究センターでさえもあまり出くわすことのない稀有な循環器疾患が丁寧に網羅されている.しかも発見者の名前の付いた世界に患者が数人しかいないような希少な病気ではなく,通常のありふれた心不全,虚血性心疾患,不整脈のなかに潜む希少疾患に目を向け,通常の循環器診療における希少疾患の診断と治療の大切さを一貫して述べている.安斉先生は,いつの間にこのような正確な知識と豊富な経験を取得されたのであろう.私は,安斎先生のことを循環器内科医師として敬服するとともに,医科学者として少しジェラシーを感じた.それはなぜか?
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