特集 皮疹から疾患を考える
皮膚症状から考える皮膚疾患,内科疾患
膨 疹
森桶 聡
1
,
秀 道広
2
1広島大学病院皮膚科
2広島大学大学院医系科学研究科皮膚科学
キーワード:
マスト細胞
,
蕁麻疹
,
抗ヒスタミン薬
Keyword:
マスト細胞
,
蕁麻疹
,
抗ヒスタミン薬
pp.383-385
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika125_383
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Summary
▪膨疹とは発疹学でいう原発疹の一つであり,真皮浅層の限局性の浮腫によって形成される皮疹である.真皮において毛細血管の透過性が亢進し,血漿成分が間質に漏出することにより生じる.
▪膨疹を生じる代表的な疾患としては蕁麻疹があげられる.蕁麻疹は日常診療において比較的高頻度に認められるため,基本的対処法を知っておく必要がある.このほか肥満細胞症,虫刺症でも膨疹が生じ得る.
▪膨疹は時間経過とともに数時間から24時間以内に跡形もなく消退する.しかし,広範囲に多発している場合や出没を繰り返す場合もあり,病状に応じた治療が必要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2020