特集 2019年の白血病診療―新たな武器を上手に活用するために
白血病の診断
白血病の初発症状から診断へ
藤田 浩之
1
1済生会横浜市南部病院血液内科
キーワード:
白血病
,
症状
,
検査所見
Keyword:
白血病
,
症状
,
検査所見
pp.2057-2062
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2057
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Summary
▪白血病では,正常造血抑制により貧血症状,出血症状,感染症状が現れる.
▪急性白血病の典型例では,白血球増加・芽球出現・貧血・血小板減少がみられるが,白血球4,000/μL以下の症例は30%程度,芽球出現のない症例は5%程度にみられる.
▪急性骨髄性白血病は,急性リンパ性白血病に比べ初発時Hb値が低く,労作時息切れなどの貧血症状の訴えが多い傾向にある.
▪慢性白血病では,白血球の増加を認める.
▪明らかな出血傾向のある場合や血圧低下,意識障害を伴う発熱などバイタルサインに異常がある場合などは緊急対応が必要であり,直接血液内科医に相談することが望ましい.
▪検査結果から急性白血病を疑った場合,自覚症状に乏しく血小板数が保たれていれば,翌日もしくは数日以内に血液内科医を受診できるよう紹介する.
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