特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第10章 歯科・口腔外科
顎関節症
西山 暁
1
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科口腔顔面痛制御学分野
pp.2013-2016
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_2013
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顎関節症とは
1.顎関節症の概念と一般的な症状
顎関節症は顎関節に限局した疾患というイメージが強いが,咀嚼筋に生じる症状もその範囲に含まれている(図1).日本顎関節学会では,顎関節症を「顎関節や咀嚼筋の疼痛,関節(雑)音,開口障害あるいは顎運動異常を主要症候とする障害の包括的診断名」と定義している.このように顎関節症の主な症状は,① 痛み,② 関節雑音,③ 下顎の運動制限(主に開口障害),であり,これらは顎関節症の “3大症状” と呼ばれ,このうちの1つ以上が含まれていることが顎関節症と診断するうえでの必要条件である.
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