特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第1章 外 科
B.心臓血管外科
心房細動
井塚 正一郎
1
,
新田 隆
1
1日本医科大学心臓血管外科
pp.1727-1730
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1727
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心房細動とは
心房細動は日常最もよく遭遇する不整脈の一つであり,動悸などの不整脈症状,左心耳内血栓による心原性脳梗塞,頻拍や心房収縮の消失による心不全が臨床上問題となる.肺静脈や心房の高頻度異常興奮に心房の不規則伝導や心房筋のリモデリングなどが加わり心房の不規則な興奮をきたす.Maze手術は肺静脈の電気的隔離により肺静脈に発生する高頻度異常興奮の心房への伝導をブロックし,心房の線状伝導ブロックにより心房での興奮旋回を阻止することで心房細動を停止させる.Maze手術は心房細動を洞調律に復帰させるとともに左心耳の切除も行うゴールドスタンダードの治療であるが,近年,心原性脳梗塞予防として左心耳の切離や閉鎖だけを目的とした左心耳を閉鎖するデバイスが臨床導入されている.
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