Book Review
新臨床腫瘍学(改訂第5版)―がん薬物療法専門医のために
佐々木 康綱
1,2
1武蔵野徳洲会病院オンコロジーセンター長
2昭和大学医学部内科学講座腫瘍内科学部門 客員教授
pp.1475-1475
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1475
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- 文献概要
1980年代,固形がんに対する治療成績が不良であったことも相まって,わが国では「腫瘍学」の概念そのものが明確ではなく,臓器別のがんに対するアプローチに重点が置かれていた.当時,がん医療の初学者にとって包括的に腫瘍学を勉強するための日本語で書かれた教科書は存在しなかった.一方,米国では世界でも最も権威ある「腫瘍学」の書籍として『Principles & Practice of Oncology』(Lippincott後のWolters Kluwer社)が出版され,全米の臨床腫瘍医の座右の書として高い評価を受けていた.この書籍では,腫瘍学に関連する全般の知識とともに各臓器がんに対する適切な治療モダリティの役割と病期に応じた最新の知見が網羅されていた.個人的には,臨床試験における症例数の決定方法や抗悪性腫瘍薬の臨床薬理学などもこの書籍から学んだことが思い出される.
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