特集 —臨床の「なぜ」に答える—がん化学療法Q & A
【鼎談】がん患者の前に立つナースに求められること
佐々木 康綱
1
,
ワット 隆子
2
,
飯野 京子
3
1国立がんセンター東病院化学療法科
2あけぼの会
3国立看護大学校
pp.10-16
発行日 2002年1月1日
Published Date 2002/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661903883
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がん看護=ターミナルケア?
佐々木 「がん患者の前に立つナースに求められること」ということなのですが,たとえば国立がんセンター東病院(以下,東病院)で看護婦を募集するとみんな緩和ケアを希望するのですね.おそらく,看護学生や臨床の看護婦でも,なんとなく「がん看護でもっとも大切なのはターミナルケアである」という非常に一面的な認識があるのではないでしょうか.もちろん,ターミナルケアはがん看護の重要な側面ですが,内科的なスタンスからいえば,化学療法に関する知識が非常に重要になってくるわけです.しかし,そうした認識はきわめて乏しいですね.
飯野 そうですね.まず,看護の基礎教育のなかでは,「がん看護」という単元がそもそもありません.結局のところ手術看護の一部としてか,終末期看護のなかで,がん看護を学ぶことが多いのです.おそらくそのために,がん看護といえばなぜか終末期ケアに関すること,となってしまうのだと思います.
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