Book Review
TAVI実践マニュアル
齋藤 滋
1
1湘南鎌倉総合病院心臓センター循環器内科 主任部長
pp.1457-1457
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1457
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- 文献概要
本書は,執筆者一覧からも明らかなように,構造的心疾患(structural heart disease:SHD)インターベンション,とくに重症大動脈弁狭窄症に対するインターベンションである「経カテーテル大動脈弁植込み術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)を日本導入の当初から牽引し,さらにこれを発展させてきた若手医師(その多くは「OCEAN TAVI Registry」という臨床研究の枠組みのもと,学閥などの障壁を越えて結びついてきた)によって書かれたものである.それがゆえに,構成や内容の緻密さに物足りない部分があることは否めない.現在の本邦においては,TAVIに関して前向き無作為臨床試験を行える基盤はいまだほとんど整備されておらず,臨床研究の方法論は症例ベースのものや,後ろ向き解析,あるいは前向きレジストリーのみであり,前向き無作為試験に比較して科学的信頼性に関して十分なものとはいえない.そのような現状のなかでは,本書はベストを尽くしていると考える.
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