特集 診療力を上げる! 症例問題集
第8章 中毒・環境障害
総 論
早野 大輔
1
1関東労災病院救急総合診療科
pp.904-907
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_904
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内科医が日常診療において,急性薬物中毒の患者に接する機会はそれほど多くない.それゆえ,薬物中毒患者を見逃さないための基本的な知識を有することが求められる.内科医が日常において薬物中毒を診察する場合に2つのパターンがある.一つ目は自殺企図など意図的に薬物を過量服用した場合である.二つ目は意識障害,不整脈,体温異常,呼吸障害などの異常な症状の原因がはっきりしない場合である.後者においては明らかな原因が判明しないときには薬物中毒も念頭に置いて治療を進めていく必要がある.薬物中毒にて来院される患者は,精神疾患を合併しているものや生活に問題があることが多い.薬物中毒患者の診療は,単に身体の治療だけでなく,患者の社会的背景にも注意しなくてはならない.
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