特集 緊急受診してくる呼吸器疾患―「息が苦しい」という患者が来院したとき,どのように対応できますか?
呼吸器感染症による緊急受診
胸膜炎・膿胸
中岡 大士
1
,
石田 正之
1
1社会医療法人近森会近森病院呼吸器内科・感染症内科
キーワード:
胸膜炎
,
胸水
,
膿胸
,
胸痛
Keyword:
胸膜炎
,
胸水
,
膿胸
,
胸痛
pp.69-74
発行日 2019年1月1日
Published Date 2019/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_69
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Summary
▪呼吸困難の原因として胸膜炎を疑うヒントは胸部の痛みの性状にある.
▪多くは胸水貯留を合併しており,胸水検査が必要である.
▪胸水評価については超音波を用いた観察と穿刺が推奨される.
▪膿胸の場合に診断またはドレナージの遅れが致死率の上昇につながる.
▪肺炎随伴性胸水や膿胸では可能な限り抗菌薬投与前の細菌学的精査と十分なドレナージを行う.早い段階での専門医への紹介,外科医との連携を考慮する.
▪結核性胸膜炎の治療の基本は抗結核薬の投与であり,胸水のドレナージは呼吸困難症状が強ければ検討する.
▪がん性胸膜炎では速やかに胸水ドレナージを行い,呼吸困難の改善と肺の再拡張が得られるかどうかの評価が重要である.
© Nankodo Co., Ltd., 2019