特集 易感染患者のマネジメント―“免疫不全” で思考停止にならない
特徴ある患者背景と感染症
高齢者の感染症
藤田 崇宏
1
1国立病院機構北海道がんセンター感染症内科
pp.249-252
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_249
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Summary
▪高齢者は,免疫老化により感染症の頻度の高い集団である.
▪病歴は複数の情報源から聴取すること,身体所見ではバイタルサインを重視する.
▪耐性菌保有リスクが高い患者の肺炎では,緑膿菌のカバーがある薬剤を初期投与に用いる.喀痰培養で耐性菌が検出されなかった場合は積極的にde-escalationを行う.
▪無症候性細菌尿と尿路感染症の区別のためには他の部位の感染症の除外が必要である.
▪軟部組織感染症は着衣で隠れた部位にも起きるので,診察の際には注意する.
▪マクロライド系,アゾール系抗真菌薬を用いる際は薬剤相互作用を必ず確認する.
▪腎機能の過大評価に注意して投与量を決定する.
▪終末期認知症患者の肺炎では,個人の意思や生活の質を考慮して治療方針を検討する.
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