Book Review
プライマリ・ケアの現場でもう困らない! 悩ましい “喘息・COPD・ACO” の診かた
永田 真
1,2
1埼玉医科大学呼吸器内科 教授
2埼玉医科大学病院アレルギーセンター センター長
pp.1364-1364
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_1364
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- 文献概要
本書の著者である田中裕士先生は,現在札幌市内においてご自身みずからがクリニックにてプライマリ・ケアに携われています.実は気道疾患の分野の優秀な研究者として,大学人として,また学会人として,多年にわたって活躍してこられた第一人者です.本書はその田中先生が,現時点におけるプライマリ・ケア実践者の視点から,喘息・COPD,そしてなかなか難しいACO(喘息とCOPDのオーバーラップ)の臨床のノウハウを説き明かしているところに,学問的なご見識に裏打ちした奥行きがあって,読んでいて大きな魅力を感じました.喘息・COPD・ACOの病態の鑑別あるいは診断のポイントから始まり,とくに各種吸入薬を中心とした長期管理薬物療法の詳細かつ実践的な解説は,これらのcommon diseaseの診療にあたられている臨床医の皆さまにとっては大きな助けとなるでしょう.これらの疾患の急性増悪期における管理についての記載も充実しています.いわゆる生物学的製剤の解説もとくにGPの先生方などにはわかりやすいのではないかと思います.そして慢性咳嗽についての解説部分は,小生にも非常に参考になって,勉強になる点が多々ありました.
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